認知症について知ろう!

# 犬の認知症 # シニア犬ケア # 犬の健康 # ペットの老化 # ペットケア
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認知症について知ろう!

ワンフーアドバイザー
獣医師 Naoka


こんにちは。近年、犬や猫の認知症についてのご相談が増えてきたように感じます。これは、獣医療の発展に伴いペットの平均寿命も伸びたためと考えられます。平均寿命が伸びることは大変喜ばしいことですが、ペットの高齢化に伴い、ペットも人間と同じように老化現象がさまざまな形で現れ、不安や悩みを感じるかたも多くいらっしゃると思います。

今回は、犬猫の認知症の症状や対策、予防法についてお話していきます。


● 認知症とは?

「認知機能不全症候群」ともいい、明確には定義されていません。 高齢期に認知機能が緩やかに低下していき、その結果、複数の特徴的な行動障害が現れる症候群です。 ヒトのアルツハイマー病と似ている病態ではないかという説も出ていますが、現時点ではまだ病態は解明されていません。


● 症状は?

犬猫の認知症の症状は、通常、徐々に現れます。
ご家族が最初に気付くことが多い症状には以下のようなものがあります。

  • 睡眠サイクルの変化(夜間に目が覚めて徘徊、昼夜逆転、夜鳴き)
  • 迷子や物忘れ(家の中で迷う、散歩中に迷う、覚えていた場所を忘れる)
  • 徘徊行動(ぐるぐる回る。特に犬に多い)
  • コミュニケーションの減少(反応が鈍い、呼びかけへの反応低下)
  • 食欲の変化(食べ過ぎ、食欲低下、不規則な食事量)
  • 排泄の問題(トイレを忘れる、失敗が増える)

認知症の診断は、該当する症状があることに加えて、全身検査で他の疾患が無いかを確認することで行われます。
初期症状は「加齢かな?」で見逃されがちです。疑わしいと感じたら、早めに動物病院に相談しましょう。


● 対策

まずは、環境整備とリハビリが大切です。
具体的には次のような工夫があります。

  • 段差や滑りやすい床を避ける(滑り止めマットなど)
  • 狭い場所に入り込まないよう工夫する
  • 角やぶつかりやすい場所を保護する
  • 視力低下がある場合は、家具の配置を変えない
  • 排泄トラブルがある場合はおむつの検討
  • 歩行が難しい場合は歩行器を使う
  • 食事姿勢を楽にするための食事台の利用
  • 適度な刺激(散歩、知育玩具、日光浴、ブラッシングなど)

● サプリメント

抗酸化作用のあるビタミン類、ユビキノン、ルテイン、葉酸、ポリフェノール類、さらにDHA・EPAやL-カルニチンなどが推奨されます。 栄養素が含まれるサプリメントは多数あるため、かかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。

● 食事療法

高齢期向けの栄養バランスが整ったフードを選ぶことも大切です。 ワンフーのシニア食は良質なタンパク質を使用し、栄養バランスに配慮されています。 ただし低アレルギー設計のため、DHA/EPAはあえて配合していません。 必要に応じてサプリメントで補うことをおすすめします。

● 薬物療法

生活環境の整備や食事・サプリメントを行っても改善が見られない場合、薬物療法が選択肢に挙がることがあります。 認知症を根治するものではありませんが、夜間の不眠・不安・興奮などの緩和に役立つことがあります。 気になる症状があれば、かかりつけの動物病院に相談しましょう。

シニア食への切り替え目安

ワンちゃんのシニア期は一般的に7歳ごろと言われていますが、 ワンフーでは“実際の変化”を基準にすることをおすすめしています。

とくに、こんな変化が見られたらサインです。

ごはんを食べる量が減ってきた

運動量が落ちてきた

食べるスピードがゆっくりになってきた

ワンフーのフードをご利用の方には、10歳ごろが切り替えの一つの目安としてご案内しております。ただし、10歳より前でもごはんの量や運動量が減ってきた場合は、シニアフードに切り替えていただいても問題ありません。

一方で、10歳以降でも食事量や運動量が変わらない子は、 レギュラータイプのままでも大丈夫です。

年齢だけで決めなくても大丈夫です。 その子の“今の様子”を見ながら、無理のない選択をしてあげてくださいね。


シニア用フードのページを見る


● 予防法~早期にできることは?~

  • 早めの生活習慣ケア:適正体重を維持する、定期的な運動・刺激を日常化する
  • 栄養管理:高齢期に入る前から栄養バランスの優れた食事や、脳に良い栄養の摂取(サプリメント等)を心がける
  • 定期健診:初期症状のサインを見逃さず、早期に介入することで進行を遅らせやすくなります

「加齢かな?」とそのままにしてしまいやすい認知症の初期サイン。
正しい診断と早めのさまざまな対策が、ペットちゃんのシニアライフをより快適なものにしてくれます。 いろいろな初期のサインを「歳を取ったら仕方ない」と放置せず、早めにかかりつけの動物病院に相談し、その子に合った対策を立てていきましょう。




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