犬の外耳炎について深堀しよう

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犬の外耳炎について深掘りしよう!


ワンフーアドバイザー
獣医師Naoka


こんにちは!だんだんと涼しくなり過ごしやすい季節になってきました。この夏、飼い主様からわんちゃんの耳の相談がとても多かったです。
わんちゃんが耳のトラブルなく快適に過ごせるように、今回は「外耳炎」をテーマにお話ししていこうと思います。


● 外耳炎とは?

外耳炎は鼓膜より外側の「耳道」に炎症がおこる病気で、痒みや赤み、肥厚や痛みなど様々な症状を引き起こします。早期に症状に気づき適切な治療をすることで、多くの場合、痒みや赤みはすぐに治ります。
しかし、外耳炎を起こした背景がある場合、その背景に対して適切な治療や管理をしないと何度も外耳炎が再発してわんちゃんが苦しんでしまいます。


外耳炎を起こしやすい主な背景・素因には次のようなものがあります。

アトピー性皮膚炎

自己免疫疾患・内分泌疾患(ホルモン異常)

耳内の異物や腫瘍

微生物(細菌・マラセチア)/寄生虫/ウイルス

過度な湿気・耳道の狭窄・中耳炎・垂れ耳などの体質


日本の高温多湿な気候も外耳炎のリスクを高めます。もし「治療しても何度も繰り返す」というお悩みがあれば、背景要因の管理が不十分な可能性があります。かかりつけで耳だけでなく全身のチェックを受けましょう。




● 耳の検査ってどんなことをするの?

視診

耳の外観や耳道入り口の炎症の強さ、外耳が炎症で塞がっていないかなど基本所見を丁寧に確認します。

耳垢検査

外耳に溜まった耳垢を採取し、顕微鏡で耳ダニ・細菌・マラセチア・炎症細胞などを確認。感染の有無や原因を推定します。

耳鏡/ビデオオトスコープによる観察

耳道の炎症の程度や鼓膜の評価、異物や腫瘍の有無を詳細に確認します。



● 耳の治療について

耳洗浄

耳の洗浄液で耳道を洗い、耳垢を除去し清潔な環境を維持します。
※不適切な耳洗浄は耳道の環境を悪化させることがあります。自己判断で行わず、必ず獣医師に相談しましょう。

点耳薬の使用

炎症の程度や感染原因に応じて、様々な点耳薬(抗菌・抗真菌・抗炎症など)を使い分けます。

ビデオオトスコープ下での耳洗浄・処置

洗浄だけでなく、耳道内の異物・被毛の除去、腫瘍の切除や生検まで行うことができます。

外科手術(耳道切除)

難治性で閉塞している末期の外耳炎や腫瘍例で選択されることがあります。 術式によっては聴力低下・顔面神経麻痺などのデメリットがあるため、適応の見極めが重要です。 近年はビデオオトスコープの普及により、外科以外のケアで管理できる例も増えています。


● さいごに

今回は外耳炎とその背景、検査や治療方法についてご紹介しました。耳は適切に管理することで、生涯きれいな状態を維持することも可能です。
一方で管理を怠ると治りにくく、痒みに苦しんだり外科手術が必要になることも。外耳炎について正しく知り、異変に早く気づいて適切なケアを続けましょう!



今回のコラムは如何でしたか?

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