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ワンちゃんのこと一緒に学ぼう

あなたの傍にいつも居てくれるワンちゃんを見守る上で、大切なことは何でしょう?
それはまず、ワンちゃんは私たち人間とは違う生き物であることを、しっかり認識することでしょう。

【体を知る】

犬はあらゆる面で人間と違います。

ワンちゃんの体はあらゆる面で人間と異なります。例えば平均体温は、38.5度くらいで、大型犬ではやや低め、小型犬ではやや高めになります。また、1分間の呼吸平均的回数は人間だと15回~18回だそうですが、ワンちゃんは15回~30回程度。これに加えて、嗅覚・聴覚などの五感の機能にも様々な違いがあります。他にも、下の図のように寿命や生理学的な点など様々な違いがあります。

【人間の年齢と犬の年齢】
【人間と犬の生理学的違い】
肉食動物の消化器官の大きさやその形は、人間のものとは大きく違います。犬は臭覚で食べ物を選ぶので、味覚が好みに関わることはほとんどありません。

消化器官の働き方が違うから、食事の考え方も変わります。

ワンちゃんの消化器の働きは、人間よりもずっと速く活発。でもその分、腸も短いので、食事には体内で早く消化・吸収されるものが体に適しています。野生で狩りやすく、日常的に食べることができ、栄養が豊富で、消化・吸収が早いもの・・・
そう考えていくと、小動物の“生肉”が主食として優れていると言えます。もちろん、肉以外にも、野生の頃に消化を助けるものとして食べていたと考えられるものはあります。草、葉、種、果物などです。自分の体調を本能的に理解して、栄養バランスや胃腸の機能を整えるために、食べていたと考えられます。

また、ワンちゃんは脂肪を主なエネルギー源としているので本来は脂肪の多い食事が適していますが、人間が適切な食事の内容と量を理解せずに与えてしまうと肥満の恐れがでてきます。

【必要な栄養バランス】

ワンちゃんに必要な栄養バランスを考えましょう。

人間とワンちゃんとでは必要な栄養素は同じですが、そのバランスが違います。愛犬に食事を与えるにも基本を知っておくと、よりその大切さがわかります。

ワンフーに配合している栄養素

[1.タンパク質]
ワンちゃんの場合10種類程度のアミノ酸は体内で合成できないため、食物からそれらを摂取しなければなりません。ワンちゃんが1日に必要なタンパク質量は、人間の約1.3~2.8倍(成人・成犬の体重1kgあたりにつき)になります(※年齢や大きさなどで差があります)。そうしたアミノ酸は必須アミノ酸と呼ばれます。ワンちゃんの場合はアルギニンやリジンなど10種類の必須アミノ酸が必要となります。タンパク質が不足すると痩せてきたり、被毛がパサついたりします。過不足は体に影響しますので、バランスよく与えたいものです。
■必須アミノ酸
・メチオニン
筋肉タンパク質の合成を促進し、被毛の主成分タンパクになる。
ワンフーにはアミノ酸スコアの高いウサギ肉や鶏肉を使用しています。
10種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。

[2.脂質]
脂肪はタンパク質や糖質と比較すると約2倍のエネルギーをつくることができます。また、体の中でつくり出すことができず、食物から摂る必要がある脂肪酸を必須脂肪酸というものもあります。この必須脂肪酸が不足すると被毛や皮膚のトラブルなどにつながることがあります。しかし、一方で脂肪の摂りすぎは下痢を起こしたり、肥満のもとにもなりますので適量の脂肪を摂取することが大切です。
[3.炭水化物]
炭水化物は糖質と繊維質で構成されています。糖質はエネルギー源に、繊維質は消化管や腸内細菌の働きを助けたり、便秘を防いだりします。しかし、ワンちゃんは元来、肉を消化するのに適した腸の構造ですから、消化しやすい炭水化物を与えることが大切です。膵臓から分泌される消化酵素のアミラーゼの働きで、加熱したとうもろこしや小麦などのでんぷんは消化することができます。
[4.ビタミン]
タンパク質や炭水化物などと比べると必要量は少ないですが、体の機能になくてはならないものです。ただし、ワンちゃんの場合はビタミンCを生合成できるため、毎日の食事に積極的に加える必要はありません。(※年齢や健康状態によっては必要となるケースもあります。)
■ビタミン類
・A
視覚や粘膜機能を維持する。
・D
腎臓で合成され、骨の発育を促進する。
・E
抗酸化作用がある。欠乏症は動物によって様々な異常をきたす。
・B1
中枢・抹消神経の機能を正常に保つ。欠乏症として犬の心臓肥大や猫の筋肉衰弱・神経症が知られる。
穀類の胚芽部分に多く含まれる。
・B2
新陳代謝や消化などの生命活動に関わる。また脂肪からエネルギーを産出するのに欠かせない。
レバーや豆類、穀物胚芽などに多く含まれる。
・B6
多く酵素の補助機能として働き、アミノ酸代謝に関わる。
欠乏症は皮膚や神経の異常、筋肉の弱体や運動失調が見られる。
・ナイアシン
脂質やアミノ酸の代謝に必要なビタミン。飼料中からの利用率は低いので注意が必要。
特に猫は他の動物に比べ要求量が高い。
・パントテン酸
ビタミンの中では広く食品に含まれているので欠乏症は稀である。皮膚粘膜の健康に関与している。
・葉酸
特に発情期から妊娠中の母親に必要なビタミンで、不足すると胎児への影響が報告されている。
・B12
葉酸の取込みに関与するビタミン。野菜中心の食事では不足する可能性がある。
[5.ミネラル]
必要量はわずかですが、体を構成するだけでなく、体全体の機能調整・維持するために不可欠なものです。ワンちゃんは12種類のミネラルを必要とします。
■ミネラル類
・鉄
体内で酸素運搬に関与する。野菜や穀類に含まれる非ヘム鉄の吸収にはビタミンCと摂取すると効果的である。
・銅
銅はヘモグロビンの合成に不可欠であることから、鉄と同様、不足すると貧血を引き起こす。また被毛色素メラニンの合成に必要である。
・ヨウ素
ヨウ素は甲状腺に特に多い。不足すると体がだるく、皮膚や爪に艶がなくなり、発育障害などが生じる。海藻などから摂取する必要がある。
・カリウム
ナトリウム同様日々摂取が必要なミネラルだが過剰摂取は血圧上昇を引き起こす。
一方欠乏した場合は不整脈を生じることがあり摂取バランスが重要である。
・亜鉛
皮膚や毛に多く分布し、不足すると被毛・骨の異常、成長阻害が生じる。
・マンガン
ムコ多糖(コンドロイチンなど)の合成に関与し、欠乏すると代謝異常や軟骨形成に異常をきたす。
・セレン
ビタミンEとともに細胞の酸化を防ぐ。
[6.水]
人間と同様に体の中で60~70%を占めるのが水分です。いつでも新鮮な水が飲めるようにしてあげましょう。体温を保ったり、栄養の吸収や老廃物を体の外へ出すためにも大切な役割を果たします。
[7.その他]
■その他
・コリン
犬猫は体内でコリンの生成が出来ないため食事から摂取する必要がある。
体内ではレシチンとして存在する。脂肪肝を防ぎ肝機能を維持する。
・イノシトール
ビタミンのような働きをするビタミン様物質に分類されており、脂肪肝や高脂血症を抑制する働きや、神経の情報伝達にも関与しています。
また被毛の健康を維持する働きが期待できます。

【ライフステージの考え方】

ライフステージによって食事の与え方にも注意が必要です。

食事は一生を通して同じものを与えていればいいというものではありません。妊娠中の母犬、成長期、成犬期、シニア期と必要とするエネルギーは少しずつ違ってきます。フードは給与表を目安に与えますが、ワンちゃんの各ライフステージの特徴を理解しておきましょう。

[幼犬期(離乳期後~1歳頃まで)]

生後半年くらいまでは1日に必要な量を3~4回など回数を多めに分けて与えるとよいでしょう。消化機能自体がまだ十分に発育していないため、一度にたくさんは食べられないからです。以降は、与える回数を徐々に減らし、1日に2~3回程度にします。この時期、食事を与えすぎて肥満になると成長後にも肥満になりやすく、かつ痩せにくい体となってしまいます。注意が必要です。一般的に大型犬より小型犬のほうが成長速度が早く、生後10ヶ月齢ほどで成犬と同じ体重になります。大型犬は成犬になるまで一年半程度必要なようです。体のサイズや成長度合いで与える回数を加減しましょう。

[成犬期(1歳頃~7歳頃まで)]

犬種サイズや個体により多少異なりますが、一般的に、成犬期は成長段階の中で最も長い期間と言われます。この時期の食事の回数は1日に1~2回程度が一般的ですが、特にお腹が弱いワンちゃんなどは2回以上に分けてあげた方が良いようです。この時期は、理想的な体型と体重を維持し、ワンちゃんが一生健康でいられるために栄養管理がとても重要になります。

[高齢期(7~10歳頃から)]

小型犬と大型犬とでは老化のスピードが違いますが、一般的に、小型犬では10歳頃、大型犬では7歳頃から高齢期に入るとされます。そのあたりの年齢になったら様子を見つつ、少しずつ変えてあげましょう。また、食事の回数は1日1~2回の食事回数でもちろん大丈夫ですが、場合によっては食事回数を増やし、消化機能の低下を補ってあげるようにしましょう。特に、高齢期は栄養の摂りすぎによる肥満に注意し、良質で高タンパクな食事内容が必要になります。

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